平成21年分確定申告に関する主な改正点
平成21年分の所得税の確定申告が始まります。平成21年分の所得税について創設された制度の主なものの概要を紹介します。
(1)上場株式等に係る譲渡損失と配当等の損益通算
@上場株式等に係る配当所得の申告分離課税
居住者等が平成21年以後に支払を受ける上場株式等の配当等(大口株主等が支払を受けるものを除く。)に係る配当所得ついては、総合課税の他に、申告分離課税(平成21年から平成23年までの間は所得税7%住民税3%)を選択することができることになりました。ただし、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得については配当控除は適用されません。
A上場株式等に係る譲渡損失と配当等の損益通算
確定申告書を提出する居住者等の平成21年分以後の各年分に上場株式等を金融商品取引業者への委託による譲渡等により生じた譲渡損失の金額がある場合には、その年分の申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得の金額と損益通算をすることができることになりました。
B上場株式等の配当等(大口株主等が支払を受けるものを除く。)は、従来より確定申告不要制度がありますので、所得税7%住民税3%の税率による源泉徴収のみで課税関係を終了することが出来ます。
(2)土地等の先行取得をした場合の譲渡利益金額の80%控除
@不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う個人が、平成21年と平成22年の間に国内にある土地等(棚卸資産を除く、「先行取得土地等」という。)の取得をし、その取得をした日の属する年の翌年以後10年以内にその個人の所有する他の事業用土地等(事業の用に供しているものに限る。)の譲渡をした場合には、事業用土地等の譲渡利益金額からその譲渡利益金額の80%(土地等の取得が平成22年中である場合には60%)に相当する金額を控除する制度が創設されました。
Aこの制度の適用を受けるには、先行取得土地等につきこの特例の適用を受ける旨の届出書を先行取得した年の翌年3月15日までに納税地の税務署長に提出しなければなりません。
(3)減価償却資産の耐用年数の見直し
機械及び装置を中心に法定耐用年数の見直しが行われ、設備の種類の区分が55区分(改正前390区分)とされました。個人事業者については平成21年分から適用されますので既存の機械及び装置を含め耐用年数の見直しをしなければなりません。
(4)補助金・減税
@定額給付金は、非課税とされました。
Aエコカー補助金は国庫補助金に該当します。個人事業者については平成21年中に車両を取得し、同年中にエコカー補助金の交付を受けた場合には、車両の取得価額からエコカー補助金の金額を控除して減価償却の計算をします。