中野一輝税理士事務所
税制改正

  令和2年度税制改正大綱 U
 前々回に引き続き令和2年度税制改正大綱の主要な改正項目の一部をまとめてみました。なお、大綱として決定されたもので、法律は成立していませんのであらかじめご了承下さい。

  (1)個人所得課税

@ 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の創設
 個人が都市計画区域内にある低未利用土地等を譲渡した場合において、保有期間が5年超、譲渡対価の額が500万円以下等その他一定の要件を満たす場合には、その年中の低未利用土地等の譲渡に係る長期譲渡所得の金額から100万円控除できる制度が創設されます。

A 国外居住親族に係る扶養控除等の見直し
 所得要件(38万円未満)が国内源泉所得のみで判定されるため、国外で一定以上の所得を得ている国外居住親族でも扶養控除の対象にされているとの指摘を踏まえ、令和5年分以後の所得税につき、留学生その他一定の要件を満たす者を除く日本国外に居住する親族のうち30歳以上70歳未満の成人については、扶養控除の対象にしないこととされます。


  (2)法人課税

@ 投資や賃上げを促す措置
 所得が増加しているにもかかわらず、賃上げや設備投資に消極的な大企業に対する研究開発税制などの租税特別措置の適用を停止する措置の設備投資要件について、国内設備投資額が当期減価償却費の30%超(現行10%超)とされます。
 また、大企業に対する賃上げや設備投資の促進に係る税制の設備投資要件について、国内設備投資額が当期減価償却費の95%以上(現行90%以上)とされます。

A 5G導入促進税制の創設
 安全性・信頼性が確保された5G設備の導入を促す観点から、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律(仮称)の規定に基づく、認定導入計画(仮称)に従って導入される一定の5G設備に係る投資について、税額控除(15%)又は特別償却(30%)ができる措置が創設されます。

B 連結納税制度の見直し
 連結納税制度について抜本的な見直しが行われ、グループ通算制度へ移行されます。企業グループ全体を1つの納税単位とし、一体として計算した法人税額等を親法人が申告する現行制度に代えて、企業グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税額の計算及び申告を行いつつ、損益通算等の調整を行う簡素な仕組みとすることなどにより、事務負担の軽減が図られることになります。


作成日 令和2年3月1日


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