節税保険の見直し
法人向けの節税保険に対応して「法人税基本通達」が改正され、最高解約返戻率(ピーク時の解約返戻率)が50%超の定期保険等は、原則として保険料の一部が資産計上されることになります。(令和元年7月8日以後の契約に係る定期保険等について適用)
(1)最高解約返戻率50%超の定期保険等の主な取扱いは、下記の通りになります。
最高解約返戻率(区分) |
資産計上期間 |
資産計上額(残額を損金算入) |
@50%超70%以下(注1) |
保険期間の前半4割相当の期間 |
当期分支払保険料×40% |
A70%超85%以下(注1) |
当期分支払保険料×60% |
B85%超(注2) |
保険期間開始日から最高解約返戻率となる期間(注3)の終了日
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当期分支払保険料×最高解約返戻率×70%(保険期間開始日から10年経過日までの期間は90%) |
(注1)
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取崩期間は、「保険期間の7.5割経過後から保険期間終了日まで」
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(注2)
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取崩期間は、「解約返戻金が最高額となる期間等の経過後から保険期間終了日まで」
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(注3)
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最高解約返戻率となる期間経過後の各期間において、その期間の解約返戻金からその直前の期間の解約返戻金を控除した金額を年換算保険料相当額で除した割合が70%を超える期間がある場合には、その超えることとなる期間
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(2)具体的事例
最高解約返戻率が85%超の場合で、下記のイ〜ニの条件の場合
@ 40歳〜50歳(最初の10年間)の経理処理
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保険料 |
19万 |
/ |
現金預金 |
100万 |
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前払保険料 |
81万 |
(注1) |
(注1)
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100万×最高解約返戻率90%×90%=81万
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A 50歳〜約72歳までの経理処理
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保険料 |
37万 |
/ |
現金預金 |
100万 |
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前払保険料 |
63万 |
(注2) |
(注2)
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100万×最高解約返戻率90%×70%=63万
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B 約72歳〜約91歳までの経理処理
C 約91歳〜100歳までの経理処理
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保険料 |
100万 |
/ |
現金預金 |
100万 |
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保険料 |
××× |
/ |
前払保険料 |
××× |
なお、新ルールのもとでは、経理方法が複雑となりますので、保険加入・内容変更の際には、事前に保険会社等からの書類を整えた上で当事務所にご相談下さい。
作成日 令和元年8月1日