中野一輝税理士事務所
税制改正

  平成30年度税制改正大綱 U
 前々回に引き続き平成30年度税制改正大綱の主要な改正項目の一部をまとめてみました。なお、大綱として決定されたもので、法律は成立していませんのであらかじめご了承下さい。

  (1)個人所得課税

@ 青色申告特別控除の見直し
取引を正規の簿記の原則に従って記録している者に係る青色申告特別控除の控除額が現行の65万円から55万円に引き下げられます。
上記イにかかわらず、上記イの取引を正規の簿記の原則に従って記録している者であって、e−Taxを使用して電子申告をする等の一定の条件を満たすものに係る青色申告特別控除の控除額は従来通り、65万円となります。
(注) 上記の改正は、平成32年分以後の所得税について適用されます。


  (2)法人課税

@ 情報連携投資等の促進に係る税制の創設
 企業内外のデータを連携・高度利活用することにより、生産性の向上を図る一定の要件を満たす情報連携投資等を行った場合には、設備等の取得価額について30%の特別償却とその取得価額の5%又は3%の税額控除との選択適用ができることとされます。(平成33年3月31日までの間の時限措置)

A 租税特別措置の適用要件の見直し
 大企業が、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度において、所得金額が増加しているにもかかわらず、賃金の引上げや設備投資をしないなど一定の条件を満たした場合には、その事業年度については、研究開発税制その他の一定の税額控除が適用できないこととされます。


  (3)資産課税

@ 事業承継税制の拡充
 事業承継税制について、各種要件が大幅に緩和されます。具体的には、10年間の特例として、@納税猶予対象の株式の制限(総株式数の2/3)の撤廃、A納税猶予割合の引上げ(80%から100%)、B雇用確保要件の弾力化を行うとともに、C複数(最大3名)の後継者に対する贈与・相続に対象を拡大し、D経営環境の変化に対応した減免制度(株価の下落による差額の減免)を創設する等の措置が講じられます。

A 一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し
 一般社団法人等に財産を移転することによる課税逃れを防止する観点から同族関係者が理事の過半を占めている一般社団法人等について、その同族理事の1人が死亡した場合、当該法人の財産を対象に、当該法人に相続税が課税されることになります。



作成日 平成30年3月5日


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