中野一輝税理士事務所
税制改正

  所得拡大促進税制の拡充

 所得拡大促進税制については、賃上げを促すための措置として、平均給与等支給額に係る要件について、一定の賃上げを実現した場合には、以下の通り税額控除の上乗せを認めることになり、平成29年4月1日以後開始する事業年度分より適用されます。
 中小企業者等については、中小企業者等以外の法人と同様の賃上げを行うと、さらに上乗せした税額控除を受けることができます。

  (1)中小企業者等以外の法人

 平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超える要件を、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額のその比較平均給与等支給額に対する割合が2%以上であることに見直されます。また、控除税額は、雇用者給与等支給増加額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の2%との合計額(現行:雇用者給与等支給増加額の10%)とされます。


  (2)中小企業者等

 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額のその比較平均給与等支給額に対する割合が2%以上である場合における控除税額が、雇用者給与等支給増加額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12%との合計額(現行:雇用者給与等支給増加額の10%)とされます(2%未満でも、現行の制度が維持されます)。

【適用要件】(@からBのすべての要件を満たす必要があります)
改正前 改正後
全 法 人 @雇用者給与等支給額≧基準雇用者給与等支給額×一定割合 改正なし
全 法 人 A雇用者給与等支給額≧比較雇用者給与等支給額 改正なし
中小企業者等
以外の法人
B平均給与等支給額>比較平均給与等支給額 平均給与等支給額≧比較平均給与等支給額×102%
中小企業者等 B平均給与等支給額>比較平均給与等支給額 改正なし

【控除税額】
改正前 改正後
中小企業者等
以外の法人
雇用者給与等支給増加額×10% 雇用者給与等支給増加額×10%+(雇用者給与等支給額−比較雇用者給与等支給額)×2%
中小企業者等 雇用者給与等支給増加額×10% 同上
ただし、中小企業者等以外の法人の適用要件を満たす場合には、
上記2%の控除割合を12%とする。

【具体的事例】≪中小企業者等の場合で、上記のすべての要件を満たした場合≫
平成25年3月期 雇用者給与等支給額 100,000
平成29年3月期 103,000
平成30年3月期 110,000
税額控除額 改正前 (110,000-100,000)×10%=1,000
改正後 (110,000-100,000)×10%+(110,000-103,000)×12%=1,840



作成日 平成29年5月1日


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