棚卸資産の評価に関する税法の規定と19年度改正
棚卸資産の評価に関する法人税法の規定は次の通りです。
棚卸資産の範囲と短期売買商品の取扱
棚卸資産とは、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産で棚卸しをすべきもの(有価証券及び
短期売買商品を除く。)をいいます。
平成19年度改正により、棚卸資産の範囲から短期売買商品を除くことになりました。この規定は平成19年4月1日以後に開始する事業年度において取得する資産について適用します。
短期売買商品とは、金、銀、白金その他の資産のうち、短期売買目的
(注1)で行う取引に専ら従事する者が短期売買目的でその取得を行ったもの及び取得の日において短期売買目的で取得したものである旨を帳簿書類に記載したもの等をいいます。
| (注1) |
短期売買目的とは、「市場における短期的な価格の変動又は市場間の価格差を利用して利益を得る目的、」をいいます。 |
短期売買商品の譲渡利益額又は譲渡損失額は、その譲渡にかかる
契約をした日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入します。
期末に所有する短期売買商品については、時価法をもって評価し、短期売買商品の評価益及び評価損はその事業年度の益金の額又は損金の額に算入します。
損金算入制度の概要
売上原価など棚卸資産の損金算入に関する法人税法の規定の概要は次のとおりです。
棚卸資産について損金の額に算入する金額の算定の基礎となる期末棚卸資産の価額は法人が棚卸資産について選定した評価の方法により評価した金額です。
期末棚卸資産の評価額の計算上選定することができる評価の方法は、原価法と低価法があります。
| 原価法とは | 期末棚卸資産につきイ個別法、ロ先入先出法、ハ後入先出法、ニ総平均法、ホ移動平均法、ヘ単純平均法、ト最終仕入原価法、チ売価還元法のいずれかの方法によって取得価額を算出し、その取得価額を期末棚卸資産の評価額とする方法をいいます。 |
低価法とは | 期末棚卸資産を種類等の同じものについて、上記原価法により算出した取得価額による評価額と当該事業年度終了の時における価額とのいずれか低い価額をもってその評価額とする方法をいいます。 |
平成19年度改正により、低価法を適用する場合の、原価法による評価額と比較する期末評価額は、改正前では取得のために通常用する価額(再調達原価)でしたが、改正後は当該事業年度終了の時における価額(税務上の時価)に変更されました。
なお、事業年度終了の時における価額(時価)については、現在のところ法令や通達等で明らかにされていません。
この規定は平成19年4月1日以後に開始する事業年度からは適用されますが、経過措置があります。
現行の「中小企業の会計に関する指針」では、低価法における「時価とは、原則として正味実現可能価額(現在の売価から売却に要する費用を控除した金額)とするが、再調達価額(事業年度末におけるその取得のために通常要する価額)等によることもできる。」とされています。