中野一輝公認会計士事務所
コラム

 企業幹部の会計学
   外形標準課税

法人事業税における外形標準課税と損益計算書及び貸借対照表の表示について

 平成16年4月1日以後開始する事業年度より、資本金1億円超の法人を対象とした法人事業税の「外形標準課税制度」が導入されます。

 事業税は企業の行う「事業」に対して課される税であり、企業が受けているさまざまな行政サービスに対するコストとして位置づけられています。それゆえ、所得金額の算定上も必要経費として損金算入が認められています。

 企業は受けた行政サービスの程度に応じて税を負担するのが合理的と考えられますし、課税する側も景気に左右される事なく安定して税収が確保される事が望ましい訳であります。

 行政サービスをどれだけ受けているかを測る外形標準としては、資本金、売上高、床面積、給与総額、付加価値、従業員数などが考えられますが、今回は外形標準として

(1)付加価値(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料+所得金額)
(2)資本等の金額(資本金+資本積立金額)

が対象となりました。それに従来と同じ (3) 所得割が加えられこれら3つの合計が課税標準とされました。

その税率は次のとおりです。
(1)付加価値割0.48%
(2)資本割0.2%
(3)所得割所得のうち年400万円以下の金額 3.8%
所得のうち年400万円超 年800万円以下の金額 5.5%
所得のうち年800万円超の金額 7.2%

ところで損益計算書の表示において、付加価値割及び資本割は、利益に関連する金額を課税標準とする税ではないため、企業会計基準委員会実務対応報告第12号により原則として、「販売費及び一般管理費」に計上するものとされ、合理的な基準に基づき「売上原価」(当期製造費用)に配分することもできるとされました。勿論、所得割部分は従来どおり「法人税、住民税及び事業税」に計上されるべきであります。事業税の未納付額も又従来通り「未払法人税等」に含めて貸借対照表の流動負債の部に記載されます。

北國TODAY  2004年 Vol.37に載りました

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